吊り裏毛
肌に触れるものだからこそ、原綿の配合から糸の捻りまでこだわり、
杢は色の混ざり方まで細かく調整を重ね、
旧式の吊り編み機でゆっくりと編み立てた生地は、
空気を含み、もっちりとした吊り裏毛は唯一無二の仕上がりです。
空気を含むBONCOURA Sweatshirt
BONCOURAの吊り裏毛づくりは、吊り編み機で生地を編むところから始まるわけではありません。
デニムと同じように、原料となる綿を選び、どの綿をどの割合で組み合わせるのかを考え、糸の太さや撚りまで設計する。
一枚の生地になるよりもずっと前、原綿の段階からものづくりは始まっています。
目指しているのは、昔ながらの吊り編み機を使うことそのものではありません。
どのような質感で、どのような色を持ち、着たときにどのように身体へ馴染む生地にするのか。
そのために必要なものを一つずつ積み重ねた結果として、BONCOURAの吊り裏毛があります。
原綿から考える
綿は、産地や品種によって性質が異なります。
繊維の長さ、太さ、強さ、柔らかさ。
そして、原綿そのものが持つ色。
名前が付けられ、ブランドとして知られている綿も数多くありますが、BONCOURAが大切にしているのは、その名前ではありません。


その綿が実際にどのような性質を持っているのか。
どのような糸になり、どのような生地になるのか。
そして、その生地からどのような服をつくりたいのか。
完成するアイテムの姿まで想像しながら、数多くの原綿の中から必要なものを選んでいきます。
一種類の原綿だけで理想の生地をつくるとは限りません。

何種類を組み合わせるのか。
それぞれを何%ずつ配合するのか。
原綿の選択と配合によって、生地の質感も、手触りも、色も大きく変わっていきます。
コットンベールから糸へ
大地で育った綿は、収穫された後、ジニングと呼ばれる綿繰りの工程によって種子などが取り除かれます。
その後、異物を取り除きながら繊維をほぐし、紡績に適した状態へと整えていきます。
圧縮されたコットンベールを開き、絡み合った繊維をほぐしながら、少しずつ糸をつくるための状態へ近づけていく。


ここから、BONCOURAの求める糸づくりが始まります。
カード工程では、繊維をほぐしながら流れを整え、スライバーと呼ばれる束状の状態へとまとめていきます。
BONCOURAでは、この原料を混ぜ合わせる段階から色や風合いを考えています。
異なる性質や色を持つ綿を組み合わせることで、一色ではつくることのできない奥行きを生み出していきます。
たった1%が色を変える
BONCOURAの吊り裏毛にとって、杢の色は重要な要素の一つです。
サンプルづくりを始めたとき、改めて感じたのが原綿の配合の繊細さでした。
配合率がわずか1%変わるだけでも、出来上がった色の見え方は大きく変わります。

たかが1%。
しかし、その1%が杢の表情を決める。
そこで妥協することはできません。
原綿の配合を変え、糸をつくり、生地を編む。
狙った色にならなければ、もう一度配合からやり直す。
その作業を何度も繰り返しながら、求めている色へ少しずつ近づけていきます。
単純に「グレーをつくるからグレーの綿を使う」という考え方でもありません。

BONCOURAのグレー杢には、グレーそのものの色を使わずにつくり上げているものもあります。
複数の色を細かく組み合わせ、それぞれが完全に均一になりきらないことで生まれる複雑な色の重なり。
近くで見る色と、少し離れて見た色。
光の当たり方によって見える色。
そのすべてを含めて、一つの杢色をつくっています。


糸の撚りまで設計する
原綿の選択や配合だけで、生地の風合いが決まるわけではありません。
繊維を糸にしていく過程で、どの程度の撚りを与えるのかも重要です。

撚りを強くすれば、糸は締まり、しっかりとした性質になる。
弱くすれば、より柔らかく、ふくらみを持った方向へ変わっていく。

ただ弱ければ良いわけでも、強ければ良いわけでもありません。
吊り編み機で編んだときにどのような表情になるのか。
着用したときにどの程度の弾力が必要なのか。
洗いを重ねたあと、どのように変化していくのか。


最終的な生地から逆算しながら、糸そのものをつくっていきます。

ヴィンテージ吊り編み機で編む

出来上がった糸は、旧式の吊り編み機によって生地へと変わります。
吊り編み機は、生地を大量に、速くつくるための機械ではありません。
ゆっくりと糸を送り込みながら編み立てることで、糸へ必要以上の負荷をかけず、繊維の間に空気を含んだ、ふっくらとした生地をつくることができます。

現在では数の限られた機械であり、扱うことのできる職人も多くありません。
一般的な吊り裏毛でも、一日に編むことのできる量はおよそ10メートル。

BONCOURAでは、さらに独自の仕様で編み立てるため、生産できるのは一日およそ7メートルです。
定番のパーカーに換算すると、約3着分。

効率だけを考えれば、決して合理的な方法ではありません。
しかし、この速度だからこそ残すことのできる空気感や、糸そのものが持つふくらみがあります。
速くつくることでは得ることのできない質感が、そこにはあります。

丸起毛
BONCOURAの吊り裏毛を特徴づける工程の一つが「丸起毛」です。
一般的な裏毛生地の起毛では、筒状に編み上がった生地を開き、平らな状態にしてから裏面を起毛する方法が多く用いられます。
それに対して丸起毛では、生地を開かず、吊り編み機から編み上がった筒状の状態のまま起毛をかけていきます。
これは吊り編みによる生地だからこそできる、特別な仕上げです。
生地を筒のまま扱い、その内側を均一に起毛していくためには、専用の機械だけでなく、生地の状態を見極めながら調整する職人の技術が欠かせません。

現在、丸起毛を行うことのできる機械そのものが日本国内でも少なく、それを扱い、狙った風合いへ仕上げることのできる熟練した職人も限られています。
ただ毛羽を立たせればいいわけではありません。
起毛の深さや密度、生地が本来持っているふくらみとのバランスによって、出来上がったときの手触りは大きく変わります。
吊り編み機によって空気を含むようにゆっくりと編まれた生地を、その特徴を損なうことなく丸起毛で仕上げる。
編み立てから仕上げまでがつながることで、BONCOURAが求める、ふっくらとした膨らみと、もちっとした弾力、豊かな肌触りが生まれます。
BONCOURAでは、この工程を任せることのできる職人、工場とともに、最後の風合いまで細かく調整しながら生地を仕上げています。

原綿を選ぶところから始まり、配合を決め、糸をつくり、撚りを調整する。
何度も色を確認しながらサンプルを重ね、旧式の吊り編み機でゆっくりと編み立て、最後に起毛と仕上げを施す。
一つの工程だけで、BONCOURAの吊り裏毛になるわけではありません。
すべての工程がつながった先に、あの生地があります。

完成した生地には、しっかりとした量感がありながら、硬さとは異なる弾力があります。
手に触れると、もちっとした反発を感じる。
そして内側には、空気を含んだ豊かなふくらみがある。
ウールを思わせるほど豊潤なタッチと、コットンならではの自然な肌触り。
そこに、複数の原綿と色を組み合わせることで生まれる、奥行きのある杢の表情が重なります。
目指したのは、単に「昔ながらの吊り裏毛」を再現することではありません。

原料から糸、色、編み、起毛、仕上げまでを自分たちで考え、今つくりたい吊り裏毛をつくること。
効率を優先すれば省くことのできる工程もあります。

それでも一つひとつを積み重ねるのは、その違いが最後には生地そのものに現れるからです。
それが、BONCOURAが創る吊り裏毛です。
デニムだけじゃない
ボンクラのこだわり
革と向き合い、何度も試行錯誤を重ね、
タンナーと協力しながらオリジナルの鞣しを試作し、
アイテムごとに鞣しの設計や仕上げを変えて、
それぞれのモデルにふさわしいレザーへ仕上げています。
鞣しから始まるBONCOURA Leather
肌に触れるものだからこそ、原綿の配合から糸の捻りまでこだわり、
杢は色の混ざり方まで細かく調整を重ね、
旧式の吊り編み機でゆっくりと編み立てた生地は、
空気を含み、もっちりとした吊り裏毛は唯一無二の仕上がりです。
空気を含むBONCOURA Sweatshirt
熟練の職人が通常の倍以上の工程を重ね、
ハンガーに掛かった姿以上に“着た時”に差が出るよう、
縫製の合間ごとに丁寧にアイロンを入れながら、2次元の型紙を立体的な服へと仕上げ、
着るほどに体に馴染みながら人生に寄り添っていくジャケットに仕上げています。
手仕事が支えるBONCOURA Tailored Jacket
ウールという素材には、原料そのものが持つ力がある。
BONCOURA Wool
Access
OPEN
土日/12:00~19:00
SALON BONCOURAは
基本的に毎週末(土・日)のみの営業となります。
ADDRESS
大阪府柏原市大県4-17-21Google MAP
JR 大和路線 柏原駅より 徒歩10分程度
(大阪駅から電車で40分/乗り換え1回)
近鉄 大阪線 堅下駅より 徒歩5分程度
(大阪駅から電車で45分/乗り換え1回)
駐車スペース 2台有り







