BONCOURA

BONCOURAレザー

革と向き合い、何度も試行錯誤を重ね、
タンナーと協力しながらオリジナルの鞣しを試作し、
アイテムごとに鞣しの設計や仕上げを変えて、
それぞれのモデルにふさわしいレザーへ仕上げています。

鞣しから始まるBONCOURA Leather

革は、原皮の状態からそのまま服になるわけではありません。

一枚の原皮がレザーになるまでには数多くの工程があり、原皮の選び方から鞣し、染色、加脂、乾燥、仕上げに至るまで、そのひとつひとつが最終的な手触りや柔らかさ、強さ、色、そして経年変化にまで影響します。

BONCOURAでは、完成した革だけを見るのではなく、その始まりである原皮から向き合い、自分たちが作りたいレザーに合わせて一つひとつを選択しています。

原皮を選ぶ

革づくりは、まず原皮を選ぶところから始まります。

原皮選びは非常に奥が深く、同じ種類の原皮であっても、育った土地や環境はもちろん、すべてが同じ性質を持っているわけではありません。

そうしたさまざまな条件を見ながら、作りたい革に適した原皮を見極めていきます。

BONCOURAでは、必要に応じて産地なども指定し、その中から求めるクオリティを満たす原皮を厳選しています。

できる限り状態が良く、傷の少ない上質なものを選別してもらいますが、原皮はあくまで天然の素材です。

人の肌が一人ひとり違うように、原皮にもまったく同じものは存在しません。

生きている間についた傷やシミ、わずかな個体差も存在します。

それらをすべて人工的に覆い隠して均一にするのではなく、その個体が自然の中で生きてきた証として、革が持つひとつの表情として捉えることも、BONCOURAが大切にしている考え方です。

そして近年、良質な原皮を安定して確保すること自体が年々難しくなっています。

その中でも細かな要望を伝えながら原皮の選別を続けられるのは、長年タンナーと直接向き合い、信頼関係を積み重ねてきたからこそできることでもあります。

革ができるまで

選ばれた原皮は、洗浄や不要な組織を取り除く工程などを経て、鞣しへと進んでいきます。

革づくりの中心となるのが、この「鞣し」です。

鞣しとは、原皮の繊維構造を安定させ、腐敗しにくく、長く使うことのできる「革」へと変えていく工程です。

代表的なものとして植物タンニンを用いるタンニン鞣しや、クロム化合物を用いるクロム鞣しなどがあります。

日本では時として「タンニン鞣しの革は良い革、クロム鞣しは安価な革」といったイメージで語られることがあります。

しかし、BONCOURAでは鞣し方そのものに優劣があるとは考えていません。

鞣し方が変われば、出来上がる革の性質も変わります。

硬さ、柔らかさ、コシ、発色、耐久性、手触り。

最終的にどのような革を作り、どのような製品に仕立てたいのかによって、適した鞣し方を選ぶことが重要です。

場合によっては、一つの方法だけに限定せず、複数の鞣しの考え方や工程を組み合わせることもあります。

植物タンニンひとつを取っても、すべてが同じではありません。

使用するタンニンの種類や組み合わせ、配合によっても、革の色や硬さ、触れたときの感覚は変わってきます。

さらに、同じ「タンニン鞣し」「クロム鞣し」という分類の中でも、タンナーごとに長年培ってきた独自のレシピがあります。

使用する薬品の種類や濃度、配合、水、工程の順番、時間。

また、なめす時期の春夏秋冬の気温差、梅雨の湿気や冬の乾燥といった気候の違いによって薬品の浸透度合いなどの状態は変わります。

そうした細かな積み重ねによって、同じ鞣し方と呼ばれる革であっても、出来上がるものはまったく同じではありません。

鞣しの先にあるもの

そして、鞣しを終えれば革が完成するわけでもありません。

厚みを整え、必要に応じて再鞣しを行い、染色や加脂によって色、柔らかさ、コシ、手触りを調整し、乾燥やさまざまな仕上げを経て、一枚のレザーになっていきます。

ここでも重要なのは、何をするかだけではなく、「何をしないか」です。

仕上げを加えれば加えるほど良い革になるわけではありません。

表面を覆ったり、必要以上に加工を重ねたりすれば、原皮や鞣しによって生まれた本来の質感が失われることもあります。

その革にとって本当に必要な工程は何なのか。

反対に、取り除くことのできる工程はないのか。

BONCOURAでは、ただ厚い革を作ることや、分かりやすいヴィンテージ感を演出することだけを目的にはしていません。

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革とは何なのか。
その革が持つ本当の良さはどこにあるのか。

そこから考えながら、原皮、鞣し、染色、仕上げまでを組み立てていきます。

BONCOURAの革づくり

タンナーには、それぞれ得意とする革があります。

そのためBONCOURAでは、すべてのレザーを一つのタンナーに任せるのではなく、作りたい革に合わせて、その表現を最も得意とするタンナーを選びます。

自分たちで工場へ足を運び、革を見て、触れ、職人と直接話す。

原皮の品種や産地、鞣し方、染色、仕上げに至るまで、そのレザーに必要なものを考え、職人たちと一緒に作り上げていきます。

一度で理想の革が完成するわけではありません。

サンプルを作り、実際に触り、製品に仕立て、時には着込み、その先の変化まで確認する。

そこからまた条件を変え、試作を繰り返します。

見た瞬間に感じる迫力。
手に取ったときの質感。
指先で触れたときの感覚。
実際に着たときの柔らかさや動き。
そして、何年も着込んだ先に現れる表情。

BONCOURAでは、そのすべてを大切にしています。

革は、完成した瞬間だけを見て作るものではありません。

着ることでシワが入り、擦れることで色や艶が変わり、その人の身体や着方によって少しずつ違う表情になっていく。

古い革から学びながら、それをそのまま再現するのではなく、現代の技術と職人の知識を使って新しい革へと活かしていく。

古きを知り、新しく活かす。

その考え方が、BONCOURA Leatherの根底にあります。

現在、BONCOURAでは、それぞれ異なる考え方から生まれた6種類のレザーを展開しています。

01 LOTUS SUEDE / ロータス スエード

BONCOURA独自の鞣しによって防水性を持たせたオリジナルスエード。

BONCOURAのLOTUS SUEDEは、「手触り」を大きなテーマのひとつとして開発したオリジナルレザーです。

指先で触れた瞬間に感じる、非常になめらかで柔らかな質感。

スエードらしい起毛感をしっかりと持ちながらも、毛足だけが強く主張するのではなく、全体として上品で落ち着いた表情に仕上げています。

見た目の美しさだけではなく、実際に触れることでこの革の違いを感じられることを大切にしました。

そして、LOTUS SUEDEを大きく特徴づけているもうひとつの要素が、防水性です。

スエードは、その独特の起毛による柔らかな手触りや豊かな表情が魅力である一方、水濡れによるシミや色のにじみを気にしながら着用することの多い素材でもあります。

一般的にスエードを水から守る方法として知られているのが、防水スプレーなどによって完成した革の表面に撥水性を持たせる方法です。

しかし、表面をコーティングすることで、その方法によってはスエード本来の毛足や手触り、風合いにまで影響が出てしまいます。

BONCOURAが求めたのは、スエードらしい質感を残したまま、水に強い革を作ることでした。

そこで熟練した職人と何度も試行錯誤を重ね、完成した革の表面を後から覆うのではなく、鞣しの段階から防水性を持たせる方法を追求しました。

特殊な鞣しを施すことで、水が革へすぐに染み込むのではなく、まるで蓮の葉の上で水滴が丸くなり、そのまま転がっていくように弾きやすい性質を持たせています。

水濡れによる色のにじみやシミも起こりにくく、さらに色移りもしにくい。

それでいて、表面を顔料などで覆うことなく、スエード本来の柔らかな手触りや自然な起毛感を残しています。

どれだけ美しい革であっても、水や汚れを恐れて着ることができなければ、その先に現れる経年変化を十分に楽しむことはできません。

BONCOURAが作りたいのは、飾っておくためのレザーではなく、日常の中でしっかりと着込み、時間を重ねていくためのレザーです。

新品の状態では整って見えるスエードの表情も、着用を重ねることで少しずつ変化していきます。

肘や腕にはシワやアタリが生まれ、よく擦れる部分では毛並みや色の見え方にも変化が現れる。

着る人の身体や動きによって、それぞれ異なる表情へと育っていきます。

非常になめらかな手触りと上品な起毛感。
スエード本来の風合いを損なわない防水性。
そして、着込むことで現れてくる経年変化。

扱いやすくするためにスエードらしさを消すのではなく、その魅力を残したまま、より自由に着込めるものにする。

蓮の葉が水を弾くようなその性質と、柔らかく上品な佇まいから、LOTUS SUEDEと名付けました。

02 ORIGIN LEATHER / オリジン レザー

BONCOURA Leatherの原点として開発されたオリジナルカウハイド。

ORIGIN LEATHERは、BONCOURAが本格的にオリジナルレザーの開発へ取り組み始めた、その原点となるレザーです。

実際に製品としてリリースされた順番では2番目になりますが、開発そのものはそれ以前から始まっていました。

原皮の選定から鞣し、染色、仕上げに至るまで、目指す革を作るための処方を一から組み立て、タンナーと何度も調整を繰り返しています。

革単体で良く見えるだけでは完成ではありません。

実際にジャケットへ縫製し、狙ったシルエットや着心地が出るのか、縫製する上で問題がないのかを確認する。さらに実際に着込み、シワやアタリ、色の変化がどのように現れるのかまで時間をかけて検証しました。

革を作り、製品に仕立て、着用し、その結果を見てまた処方を調整する。

何度もサンプルを作り直しながら完成度を高めていったため、開発を始めてから実際のリリースまでには長い時間を要しました。

この革を作る上で特に難しかったのが、柔らかさとコシのバランスです。

革を単純に柔らかくすることも、反対に硬く仕上げることも、それほど難しいことではありません。

難しいのは、着たときにはしなやかで柔らかく感じながら、革そのものにはしっかりとしたコシがあり、手に取ったときにもレザーらしい手持ち感を残すこと。

柔らかさを求めすぎれば、革としての力強さや存在感が失われる。反対にコシを残しすぎれば、硬さが前に出て着心地が損なわれる。

相反する二つの要素をどこで成立させるかを考えながら、鞣しや油分、仕上げを細かく調整していきました。

完成したORIGIN LEATHERは、新品の状態では端正で整った、非常に綺麗な表情を見せます。

過度にシボを強調せず、牛革の銀面が持つ自然な質感を活かしながら、すっきりとした佇まいに仕上げています。

厚みは約1.2mm。

レザーらしい存在感と手持ち感をしっかりと残しながらも、必要以上に重くならず、ジャケットとして日常的に着込めるバランスです。

そして、着始めると新品時の端正な表情から一気に変化していきます。

身体の動きに合わせてシワが入り、肘や袖、ポケットまわりにはアタリが生まれ、革の表面に立体感が現れてくる。

さらに、黒の表面の下には茶色の芯を残した、いわゆる茶芯の仕上げを採用しています。

摩擦によって表面の黒が少しずつ変化すると、その下にある茶色が現れ、シワやアタリと重なりながら色にも奥行きが生まれていきます。

ORIGIN LEATHERは、BONCOURAのレザーの中でも比較的エイジングが早く現れることが特徴です。

新品時の端正で綺麗な佇まいから、着る人の身体や動きによってシワ、アタリ、色の変化が加わり、その人だけの表情へと育っていく。

その変化の大きさも、この革の魅力のひとつです。

BONCOURAが原皮、鞣し、仕上げ、縫製、そして経年変化までを一つの流れとして考え、オリジナルレザーを一から作り上げることに本格的に取り組んだ最初の革。

BONCOURA Leatherの始まりであり、その後のレザーづくりへとつながる原点 それが ORIGIN LEATHER。

03 ONYX LEATHER / オニキス レザー

適度にオイルを含み、しなやかさとコシを併せ持つ、自然なシボ感のカウハイド。

ONYX LEATHERは、1930年代のレザーウェアに感じられる、質実剛健で力強い佇まいと、革そのものが放つ迫力。

そうした魅力を持たせながら、現代の技術を活かすことで、より上質で、より着用しやすいレザーへと昇華させることを目指しました。

厚みは約1.4mm。

しっかりとした肉厚感と革らしい存在感を持ちながら、実際に服として仕立てたときには身体へ自然に馴染むバランスに仕上げています。

そのために重要になるのが、油分の量です。

オイルを多く含ませれば革を柔らかくすることはできますが、その分だけ革自体の重量も増していきます。

BONCOURAが求めたのは、単純に柔らかい革ではありません。

新品の状態から適度にオイルを含み、手に触れるとしっとりとした質感がある。その中に、革としてのしっかりとしたコシと手持ち感を残すこと。

さらに着用を重ねることで、身体の動きや油分に馴染み、革はよりしっとりと、しなやかな質感へと変化していきます。

それでも柔らかくなりきって力を失うのではなく、その内側にはしっかりとしたコシが残る。

この、しっとりとした柔らかさと芯のある質感を両立させるため、オイルの量を細かく調整しています。

表面には、牛革が本来持つ自然なシボを活かしています。

シボの出方は一様ではなく、一頭ごとの個体差はもちろん、一枚の革の中でも部位によって細かさや深さが異なります。

細かなシボが現れる部分もあれば、より大きく力強い表情を見せる部分もある。

そうした違いを均一に整えて消してしまうのではなく、その革がもともと持っている個性として残しています。

この豊かなシボと、肉厚な革から生まれる力強い表情は、馬革とはまた異なる、牛革だからこそ引き出せる魅力です。

均一さを求めるのではなく、牛革の持つ厚み、シボ、部位ごとの表情の違いをそのまま活かし、その素材が持つ力強さを最大限に引き出す。

それもONYX LEATHERを作る上で大切にしたことのひとつです。

同じ一着の中でも部位によって表情や光の受け方が異なり、それぞれに違った陰影が生まれる。

そうした個体差や部位ごとの違いも、天然皮革ならではの魅力として楽しんでほしいと考えています。

経年変化は、ORIGIN LEATHERに比べるとゆっくりと進んでいきます。
こちらも茶芯を活かした仕上げですが、着始めてすぐに茶色が強く現れるのではなく、着用を重ねる中でシワやアタリが刻まれ、表面には少しずつ艶と陰影が増していきます。


その中で、アタリの強い部分から茶芯がゆっくりと覗き、深い黒の印象を残しながら時間をかけて表情を深めていきます。


新品時から感じられるしっとりとした質感は、
使い込むほどに光沢が増し、時間とともに艶や色気が加わっていく。
着込むことでさらに増していくしなやかさ。
その中に失われずに残るコシと力強さ。
そして、牛革だからこそ生まれる豊かなシボと迫力。


黒い鉱石Onyxを思わせる深さと力強い存在感。
それが、ONYX LEATHERです。

04 AMBER HORSE / アンバー ホース

BONCOURA独自のタンニン配合によって植物タンニン鞣しを施したホースハイド。

AMBER HORSEは、100%植物タンニン鞣しで作り上げた、BONCOURAオリジナルのホースハイドです。

植物タンニンとひとことで言っても、その種類はさまざまです。

どのタンニンを使うのか、どのように組み合わせるのか、その配合によって革の硬さやコシ、手触り、色合い、そして経年変化の現れ方まで大きく変わります。

BONCOURAでは、この革に求める質感と変化を作るため、タンナーと何度も試作を繰り返し、使用するタンニンの種類と配合まで指定したオリジナルの処方を作り上げています。

目指したのは、植物タンニン鞣しならではの力強さを持ちながら、ホースハイドの滑らかで細やかな手触りをしっかりと感じられる革です。

厚みは約1.3〜1.4mm。

馬革らしい繊維の締まりとコシを持ちながら、表面は滑らかで細やか。着用を重ねることで身体の動きに馴染み、その表情を少しずつ変えていきます。

そして、AMBER HORSEの大きな特徴が、色の作り方とその経年変化です。

一般的に茶芯と呼ばれるレザーには、革の芯まであらかじめ茶色に染め、その上から表面を黒など別の色に仕上げるものがあります。

これは植物タンニン鞣しに限った手法ではなく、鞣しの種類とは別に、染色や仕上げによって作ることができます。

AMBER HORSEは、それとは考え方が異なります。

革の内部をあらかじめ茶色に染めるのではなく、植物タンニンで鞣された、肌色に近いナチュラルな革そのものの色を芯に残しています。

そのナチュラルな芯が、光や空気、時間、そして着用を重ねることで少しずつ色を深め、やがて美しい飴色へと変化していきます。

最初から用意された茶色の芯が現れるのではなく、革そのものが時間をかけて飴色へと育っていく。

BONCOURAがAMBER HORSEで表現したかったのは、この経年変化です。

一方、表面では着用によってシワやアタリが生まれ、よく擦れる部分から少しずつ色が変化していきます。

つまり、この革では二つの変化が同時に進んでいきます。

着用によって変化していく表面の色。

そして、その下で植物タンニン鞣しのナチュラルな芯そのものが、時間とともに飴色へと育っていくこと。

その二つが重なり合うことで、あらかじめ茶色に染められた芯が現れる茶芯とは異なる、独特の深みと色合いが生まれていきます。

着込むほどに、表面の色と内側から育ってきた飴色が混ざり合い、シワやアタリの位置によって一着の中にもさまざまな濃淡が現れる。

最初から完成された色ではなく、時間そのものが革の色を作っていく。

植物タンニン鞣しならではの力強さ。
ホースハイドの滑らかで細やかな手触り。
そして、ナチュラルな芯そのものが時間とともに深い飴色へと育っていく経年変化。

それが、AMBER HORSEです。

05 HAND WAX HORSE / ハンドワックス ホース

職人が一枚ずつ手作業でワックスとオイルを施して仕上げたホースハイド。

HAND WAX HORSEは、しなやかさの中に馬革らしい繊維の締まりを残し、ワックスとオイルによって独特の質感を作り上げたBONCOURAオリジナルのホースハイドです。

この革を大きく特徴づけているのが、職人による手作業のワックス仕上げです。

一枚一枚、革の状態を見ながら職人の手でワックスを塗り込んでいきます。

革は天然素材であるため、一枚の中でも部位によって繊維の密度や表面の状態、染料や油分の入り方が異なります。

その違いをすべて均一に整えるのではなく、それぞれの革の状態を見ながら手作業で仕上げることで、機械による均一な加工では生まれない自然な濃淡や艶、奥行きのある表情を作り出しています。

小さな傷や色のムラも、単に隠して均一に見せるのではありません。

それぞれの革がもともと持っている個性として捉え、その違いを味として活かすように仕上げています。

一枚ごと、部位ごとに異なる表情があり、それがそのまま一着ごとの個性につながっていきます。

そして、HAND WAX HORSEのもうひとつの大きな特徴が、その独特な経年変化です。

この革の変化は、茶芯のように表面の色が擦れ、その下にある別の色が現れることで表情を作るものではありません。

着用を重ね、手や身体に触れ、擦れを繰り返す部分ほど、ワックスや油分が馴染みながら、その色自体に少しずつ深みが増していきます。

黒は、使い込むほどにより深い黒へ。

ブラウンは、より濃く、奥行きのあるブラウンへ。

色が抜けることで変化を見せるのではなく、その色そのものが濃淡を増しながら育っていくレザーです。

袖や肘など、繰り返し曲がり動く場所には少しずつシワが刻まれ、その周囲には濃淡が生まれていきます。

着用を重ねるにつれて、その陰影は次第に深くなり、まるで穿き込んだデニムにヒゲが現れるように、その人の身体の動きが革の表情として刻まれていきます。

ワックスによる艶と濃淡が重なり、使い込むほどに色そのものが深みを増し、新品時とはまた違った色気を帯びていく。

この経年変化も、HAND WAX HORSEならではの魅力です。

厚みは約1mm。

1mmと聞くと、比較的薄い革をイメージするかもしれません。

しかし、HAND WAX HORSEはワックスとオイルをしっかりと含ませることで、革に重さと適度な硬さを持たせ、実際の厚み以上に重厚な質感と手持ち感を生み出しています。

そのため、革そのものを必要以上に厚くする必要はありません。

例えば1.2mmほどの厚みにして同じようにワックスやオイルを含ませれば、革単体ではさらに重厚になりますが、服として仕立てたときには重量が増し、着心地にも影響してきます。

BONCOURAが重視しているのは、革単体での迫力だけではなく、実際に服として着たときの心地よさです。

しっかりとした重厚感や手持ち感を持ちながら、身体を動かしたときには自然に馴染み、必要以上に重さを感じさせない。

ワックスとオイルによって生まれる質感、革としての存在感、そして着心地。

そのすべてのバランスを考えた結果、約1mmという厚みに辿り着いています。

職人の手仕事によって生まれる濃淡と自然な艶。

ワックスとオイルによる重厚な手持ち感。

そして、色が抜けるのではなく、使い込むほどにその色自体が深みを増していく経年変化。

職人の手による仕上げと、着る人の時間が重なることで、一着ごとに異なる表情へと育っていく。

それが、HAND WAX HORSEです。

HEAVY PIT HIDE / ヘビー ピット ハイド

伝統的なピット鞣しによって仕上げた、約4mm厚の肉厚なカウハイド。

HEAVY PIT HIDEは、約4mmという圧倒的な厚みと、しっかりとした銀面を持つBONCOURAオリジナルのカウハイドです。

この革づくりは、まず原皮の選定から始まります。

一枚の原皮は、すべての部分が同じ厚みではありません。

部位によって厚みに差があり、中心部では十分な厚みがあっても、場所によっては薄くなっていきます。

約4mmという厚みを安定して確保するためには、もともとの原皮そのものに十分な厚みが必要です。

さらにBONCOURAが求めているのは、単に厚いだけの原皮ではありません。

十分な厚みがあり、そのうえで銀面の状態まで良いもの。

その両方を満たす原皮となると、使用できるものはごく限られてきます。

鞣しには、伝統的なピット鞣しを採用しています。

タンニンの濃度が異なる槽を使いながら、時間をかけて革の内部へタンニンを浸透させていく。

肉厚な原皮をゆっくりと鞣すことで、繊維の締まりやコシを残しながら、重厚で力強い革へと仕上げていきます。

ただし、BONCOURAにとって、ピット鞣しを採用していること自体が価値なのではありません。

この革を作る上で難しかったのは、むしろピット鞣しの良さを残しながら、その先をどのように仕上げるかということでした。

必要以上に加工を加えてしまえば、せっかく時間をかけてピット鞣しをした革の質感や銀面の力強さを覆い隠してしまう。

そこまで手を加えるのであれば、そもそもピット鞣しである必要すらなくなってしまいます。

かといって、鞣し上がった革にほとんど何も手を加えなければ、一般的なピット鞣しの革と大きな違いは生まれません。

ピット鞣しの特徴を活かしながら、BONCOURAらしい手触りや表情、経年変化を加えていく。

そのためにできることは、実はそれほど多くありません。

ピット鞣しを活かそうとすればするほど、選べる仕上げや処方の方向性は限られていきます。

その狭い範囲の中で、どこまで手を加え、どこをそのまま残すのか。

油分の量や仕上げの方法を細かく調整しながら、何度も試作を重ねました。

ある意味では、自由に加工を重ねられる革よりも、処方を考えることが難しいレザーだったと思います。

目指したのは、ピット鞣しらしさを見せるための革ではありません。

ピット鞣しだからこそ得られる繊維の締まりや銀面の強さを土台にしながら、BONCOURAが求める手触りと経年変化へと仕上げること。

そこに、この革を作る意味があります。

新品の状態では、約4mmという厚みから生まれるしっかりとした硬さと圧倒的な存在感があります。

しかし、使い込むことで少しずつ動きが生まれ、手や身体、使われる場所に合わせて馴染んでいきます。

最初から柔らかく仕上げるのではなく、使う人自身が時間をかけて革を馴染ませていく。

その過程で表面には艶が増し、曲がる場所にはシワやアタリが刻まれ、肉厚な革ならではの深い表情へと変化していきます。

約4mmという圧倒的な厚み。
それを支える、厳選した原皮。
時間をかけたピット鞣しによる、繊維の締まりと力強い銀面。
そして、その良さを消さずにBONCOURAらしさを加えるために考え抜いた仕上げ。

使い込むほどに少しずつ馴染み、その人のものへと育っていく。

それが、HEAVY PIT HIDEです。

アクセスの地図

Access

OPEN

土日/12:00~19:00

SALON BONCOURAは
基本的に毎週末(土・日)のみの営業となります。

ADDRESS

大阪府柏原市大県4-17-21Google MAP

JR 大和路線 柏原駅より 徒歩10分程度

(大阪駅から電車で40分/乗り換え1回)

近鉄 大阪線 堅下駅より 徒歩5分程度

(大阪駅から電車で45分/乗り換え1回)

駐車スペース 2台有り