BONCOURA

TAILORED JACKET & COAT

熟練の職人が通常の倍以上の工程を重ね、
ハンガーに掛かった姿以上に“着た時”に差が出るよう、
縫製の合間ごとに丁寧にアイロンを入れながら、2次元の型紙を立体的な服へと仕上げ、
着るほどに体に馴染みながら人生に寄り添っていくジャケットに仕上げています。

手仕事が支えるBONCOURA Tailored Jacket

TAILORED JACKET & COAT

一枚の平らな生地から、身体を包む立体的な服をつくる。

テーラードジャケットやコートの仕立ては、生地を裁断して縫い合わせるだけではありません。

生地を整え、裁ち、芯を据え、縫い、アイロンで形をつくる。
その工程を何度も繰り返しながら、平面だった生地に少しずつ立体を与えていきます。

BONCOURAが求めているのは、ハンガーに掛けたときだけ美しい服ではありません。

袖を通したときに身体へ自然に馴染み、動いたときにも無理がなく、そして長い年月を着続けることのできる服。

そのための仕立ては、生地の段階から始まっています

生地を整える

テーラードジャケットを美しく仕立てるためには、まず生地そのものの状態を整える必要があります。

生地は整理加工を経て、その後十分に放反し、生地が持っている張力やクセを落ち着かせてから裁断へ進みます。

仕立ての精度を求めるのであれば、最初から無理に形を決めることはできません。

まず素材を自然な状態へ戻し、その生地がどのように動き、どのように落ちるのかを見る。

ここから一着の服づくりが始まります。

生地の表情も一種類ではありません。

織り方、厚み、毛羽、色の重なりによって、それぞれに異なる特徴があります。
BONCOURAでは、それぞれの素材の性質を見ながら、その生地に適したジャケットやコートへと仕立てていきます。

平面を、パーツへ

生地の状態が整えば、型紙に沿って裁断していきます。

ジャケットは、前身頃、後身頃、袖、襟、ポケットなど、多くのパーツから構成されています。

裁断の段階では、そのすべてがまだ平面です。

けれど、この時点ですでに完成した姿を想定しながら、それぞれのパーツが切り出されています。

裁断後は、縫製するときの位置を正確に合わせるため、型紙に沿って印を移し、必要な箇所へ切れ込みや目印を入れていきます。

小さなズレが、最終的には襟の収まりや袖の付き方、左右のバランスにまで影響します。

目立つ工程ではありませんが、こうした下準備の正確さが、その後の仕立てを支えています。

細かく分けられたパーツは、種類や工程ごとに揃えられ、ここから一つずつ服へと組み立てられていきます。

ジャケットやコートを形づくるうえで、表地と同じくらい重要なのが、その内側に入る芯地です。

芯地には、それぞれの部位や目的に応じて異なる素材を使います。

その中でも、BONCOURAのジャケットをつくるうえで欠かすことのできないものの一つが「毛芯」です。

現代のジャケットでは、表地の裏側へ熱で接着して形を安定させる接着芯が広く使われています。

接着芯には、形を安定させやすく、生産効率を高めやすいという利点があります。

一方、毛芯を用いた仕立てでは、芯を表地へ全面的に接着して固定するのではなく、縫いによって内部へ据えていきます。

そこには、わずかな「遊び」が残ります。

完全に固定してしまうのではなく、それぞれがわずかに動く余地を残す。

そのことで服は着用者の身体の動きを受け止め、着るほどに少しずつ身体へ馴染んでいきます。

この構造は、一見すると小さな違いです。

しかし、動くもの同士を正確に縫い合わせ、美しい形に仕上げるためには、高い技術と経験が必要になります。

効率だけを考えれば、省くことのできる工程もある。

それでもBONCOURAが毛芯を使うのは、完成した瞬間だけではなく、その服を着続けた先まで考えているからです。

二次元を三次元へ

一般的なジャケットは、およそ200前後の工程を経て完成すると言われています。

BONCOURAのテーラードジャケットでは、その倍となる約400もの工程を重ねています。

では、なぜそこまで工程が増えるのか。

その大きな理由の一つが、縫製と縫製の間に繰り返し行われるアイロンによる成形です。

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裁断したばかりの生地は平面です。

もちろん、平面のパーツをそのまま縫い合わせても、服という形にはなります。

しかし、人間の身体は平面ではありません。

肩には傾斜があり、胸には厚みがあり、背中には丸みがある。
腕は身体の真横からまっすぐ下へ伸びているわけでもありません。

その身体を包む服をつくるためには、生地そのものにも立体を与えていく必要があります。

アイロンは、単にシワを伸ばすための道具ではありません。

熱と蒸気を加えながら生地を伸ばし、縮め、丸みをつける。

縫う。
アイロンを入れる。
また縫う。
そして、もう一度形を整える。

その繰り返しによって、一枚一枚のパーツが少しずつ平面から立体へと変わっていきます。

一回のアイロンで生まれる違いは、決して大きなものではありません。

ですが、その小さな差を一つのパーツごとに積み重ね、さらにそれらを組み合わせていくことで、最終的には大きな違いになります。

それが、完成した服を見ただけでは分かりにくくても、袖を通したときにはっきりと感じる違いにつながっていきます。

工程が多いことそのものに価値があるわけではありません。

BONCOURAが約400もの工程を必要とするのは、見た目を複雑にしたいからでも、手間の多さを誇りたいからでもありません。

平面の生地を、身体の上で機能する立体へ変えるためです。

組み上がっていく途中でも、寸法や左右のバランスを確認しながら調整を重ねていきます。

そして、平らだったパーツが少しずつ肩を持ち、胸を持ち、袖を持つ。

まだ完成していないこの段階でも、すでに服は立体になり始めています。

肩から胸へ流れる線。
襟の返り。
袖が落ちる角度。

それらは最後に突然生まれるものではありません。

裁断から芯据え、縫製、アイロンまで、それ以前のすべての工程の積み重ねによって形づくられています。

仕立てが終盤に近づいても、人の手による仕事は続きます。

ボタンも、その一着の表情を決める大切な要素です。

皮くるみ、ホーン、ナットなど、素材やデザインを一律に決めるのではなく、そのジャケットやコートが持つ生地の表情を見ながら選んでいます。

そしてボタンは、一つひとつ職人の手によって付けられます。

長く着るための構造

BONCOURAが考えているのは、新品の状態だけではありません。

10年、20年と着続けた先まで考えた服づくりです。

接着によって広い面を強く固定する構造では、長い年月の中で一部分へ負荷が集中した場合、表地や内部の構造そのものへ大きなダメージが及ぶことがあります。

BONCOURAでは、内部に必要な遊びを残しながら、縫製によって服を構築しています。

そして、負荷が集中しやすい場所では、表地そのものを傷めるより先に縫い目が役割を受け持つことまで考えながら仕立てています。

糸が切れれば、縫い直すことができる。

けれど、生地そのものが大きく傷んでしまえば、元の状態へ戻すことは難しくなります。

壊れないことだけを目指すのではなく、長く使えばいつか手を入れる必要があることを前提に、直しながら着続けられるようにつくる。

BONCOURAが考える「一生物」とは、そういう服です。

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